厚生労働省労働局長登録教習機関
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有害物を扱ったり、有害な作業環境では、有害物自体を低減化することが最も重要な対策です。
粉じんであれば、湿潤化したり、局所排気装置などを使用して、人体にとりこまないようにします。
しかしどうしても有害物と接したり、近くで作業することも必要になります。
例を挙げると、福島第一原発事故の除染作業では、どうしても放射能濃度が高い地域に入り、草刈りなどの作業を行わなければなりません。
こんな場合、最後の最後に自分を守ってくれるものは、保護具です。
保護具は身に付ける安全対策です。代表格は保護帽などですが、有害作業には、作業に応じた保護具があります。
保護具についても安衛則で規定があります。
【安衛則】
有害な作業場、異常環境下での作業は、体に悪影響を与えます。
そのような場所で、無防備に長時間いると、健康を害していまいます。
今のような法規制などがない時代は、実際に健康を害した人も多数いました。
有害、または異常環境などでの作業では、作業者のために適切な保護具を備えなければなりません。
どのような場所かというと、次のような場所があります。
多量の高温物体、または低温物体を扱う。
有害物を扱う。
有害な光線、ガス、蒸気、粉じん、騒音、振動等にさらされる。
病原体の汚染がある。
などです。
保護具には保護衣(服)、保護メガン、呼吸用保護具などがありますが、他にも作業に応じたものがあります。
そして大切なこととして、作業に当たる全ての作業者が保護具を使用しなければならないということです。
一人分足りないということはないようにする必要があります。
(皮膚障害防止用の保護具) 第594条 事業者は、皮膚に障害を与える物を取り扱う業務又は有害物が皮膚から吸収され、 若しくは侵入して、中毒若しくは感染をおこすおそれのある業務においては、 当該業務に従事する労働者に使用させるために、塗布剤、不浸透性の保護衣、 保護手袋又は履物等適切な保護具を備えなければならない。 |
保護具の重要な役割の1つは、有害物が体に接触しないようにするものです。
接触させない場所には、目や鼻などの粘膜もありますが、皮膚に接触することも防がなければなりません。
化学物質や病原体が皮膚に接触すると、怪我や病気になりかねません。
皮膚に障害を与える物を取り扱う作業を行う場合は、保護衣や保護手袋などの保護具を備えなければなりません。
保護衣に有害物が付着しても、浸透しては意味がありません。
そのため不浸透性など、有害物の性質に応じた性質をもたせます。
体に悪影響を与える有害な作業として、騒音を発するものがあります。
常時騒音にさらされると、難聴などの障害が現れます。
強烈な騒音を発する作業では、耳栓などの保護具を使用しなければなりません。
耳栓のほか、イヤーマフといったヘッドホンのような形の耳あてもあります。
これらの保護具も耳にピッタリ当て、隙間がないようにしないと効果は薄くなるので、注意が必要です。
時には、面倒がったり、暑いからと着けない人ともいますが、保護具は最後の最後に自分を守ってくれるものなので、必ず装着しましょう。そして正しく使用しましょう。
まとめ。
【安衛則】
第593条 有害な作業場では適切な保護具を備えなければならない。 |
第594条 皮膚に障害を与える業務等では不浸透性の保護衣、保護手袋又は履物等適切な保護具を備えなければならない。 |
第595条 強烈な騒音を発する場所における業務では耳栓その他の保護具を備えなければならない。 |