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フォークリフトでの事故としては転倒などが多いのですが、それ以外にも、荷の落下も少なくありません。
もし荷物が落ちた先に人がいたら・・・下敷きになることもあります。
フォークリフトは運転敵の前に荷物を載せます。
もし大量に積んだりすると、運転者は前が見えづらくなります。
荷物によって死角ができてしまうのです。
こういった場合は、誘導してもらう必要があります。
しかしこの誘導する人の位置も注意が必要です。
あまりに近すぎると、接触したりなどに巻き込まれる恐れがあります。
栃木県小山市で、フォークリフトから落ちた鋼材の下敷きになるという事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
夫運転のフォークリフトから鋼材落下 妻に直撃し死亡 栃木・小山 (平成28年7月5日)
5日午前、栃木県小山市の金属加工工場で、経営者が運転するフォークリフトから鋼材が落ち、近くにいた妻を直撃した。妻は病院に搬送され、全身を強く打ち死亡した。
小山署によると、妻も同じ会社の役員を務め、当時はフォークリフトを誘導していた。運んでいた計約400キロの鋼材を固定していた針金が外れ、一部が妻の上に落ちたという。同署で詳しい事故原因を調べている。 |
この事故の型は「飛来・落下」で、起因物は「フォークリフト」です。
この事故は夫婦で作業した時に起こりました。
フォークリフトで鋼材を載せて運んでいた時に事故が起こりました。鋼材は針金で固定されていたようですが、途中で外れ、誘導した妻の上に落ちたのです。妻の上に落ちた鋼材は全てではないとはいえ、数十キロから、数百キロだったと思われます。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
この事故を深刻化した原因は2つあります。
1つ目は、荷物の固定方法が適切でなかったことです。
針金で留めていたようですが、鋼材をしっかり固定できておらず、外れやすかったようです。
また荷の積み方もバランスを崩しやすい積み方だったのかもしれません。
2つ目は、誘導者の立ち位置です。
崩れた鋼材の下敷きになったということは、フォークリフトのすぐ近くで誘導したと考えられます。そのため、荷崩れした時、逃げられなかったのではないでしょうか。
ただしこれは、作業場の広さなども関係で、近くにいなければならなかった可能性はあります。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | 荷物の積み方が悪かったこと。 |
2 | 荷物の固定が十分でなかったこと。 |
3 | 誘導者がフォークリフトのすぐ近くにいたこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
まず荷物の積み方は崩れ落ちないような載せ方をしなければなりません。
片側に寄ったり、大きくズレて積み重ねたりしてはいけません。途中でそのような積み方になっていることに気づいたら、手直ししましょう。
荷物の固定ですが、この事故ではどの程度の太さの針金を使ったのかは不明ですが、しっかり固定されていなかったには違いなさそうです。針金より、太めのロープなどを使用すると、より強固にできます。
またフォークリフトを誘導するときは、十分に距離を保っておく必要があります。
あまりに近すぎると、接触する危険があるのです。
対策をまとめてみます。
1 | 荷物はバランスよく積み込む。 |
2 | 固定はロープなどで堅固にする。 |
3 | 安全な距離を保ち誘導する。 |
フォークリフトに限らずですが、機械の誘導を行う人は自分の安全も確保しつつ行わなければなりません。
何より、荷崩れしないような積み方は、毎度徹底する必要があります。
違反している法律 |
この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。
【安衛則】
第151 条の10 車両系荷役運搬機械等に荷を積載するときは、落下しないようにすること。 |
これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。