厚生労働省労働局長登録教習機関
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先日、ある建設会社の安全パトロールに伺っていた際、こんなことがありました。
その会社では、作業者の安全帯として、胴ベルト型からなるべくハーネス型に取り替えるよう指導されているのですが、100%普及したとは言えません。
すでに使用している作業者からは、
「高所では安心」
「最初は着けるが面倒だったけども、続けていると慣れてくる」
と言った声が聞かれます。
しかし、まだまだ「作業時に引っ掛かる」や「トイレに行きづらい」といった抵抗があるのも確かです。
そこで、フルハーネス安全帯を普及させるためには、一度その効果を体感してもらえればよいのではないかという話が出てきました。
「実際に吊られたら、楽なのが分かるんじゃない?」
ということです。
フルハーネス型の特徴はいうものは、吊られた時の衝撃が少ないことです。
あれこれ抵抗があるでしょうが、実際に体感してもらうことで、もし墜落した際にかかる体の負担を知り、取替になるのかもしれません。
その会社では、次回の月次安全教育で、単管を組んで「安全帯で吊られる」研修を行ってみるとのことです。
このように擬似的に危険状況などを経験させて、危険を知ってもらい、安全意識の向上に役立てる教育を「体感学習」といいます。
「百聞は一見にしかず」といいます。
いくら言葉で危険を説明したところで、一回の経験に勝るものはないので、体感学習は効果的といえます。
体感学習を取り入れよう |
ここ数年、危険体感学習が取りざたされているようです。
中災防でも単管学習を行う講座を行われたり、そういったサービスがある設備もあるようです。
もしかすると、今後流行ってくるかもしてれません。
体感学習には、いくつか種類がありますが、大きく分けると保護具の効果と機械の危険を感じるものがあるようです。
保護具の効果としては、まず安全帯の探検があります。
単管で簡単な、物干し台のようなものを組み、そこに安全帯のフックを掛けて、体を水平にするのです。
これで擬似的に墜落した状態になります。
実際に吊られてみるとわかるのですが、かなり苦しいです。
胴ベルト型だと、呼吸もままならず、身動きも取りにくいです。フルハーネス型もつらいのですが、比較的呼吸が楽だったりします。またフルハーネス型だと、荷重が分散するので、痛みも小さくなるのではないでしょうか。
安全帯を着けていても、その効果を体感するのは、墜落した時です。
墜落の危険にあう人は、そう多くはありません。
このような体験は、安全帯の効果を感じる貴重な体験になります。
機械の危険の体験としては、プレス機やローラー機などに引き込まれるものです。
もちろん安全を確保した上になりますが、怖さを体験するには効果的といえます。
安全帯の体験設備などは、比較的簡単に準備ができます。
体感、体験は座学を何時間受けるより、インパクトがあります。
安全教育がマンネリになってきているならば、体感学習をぜひ取り入れてみてください。
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