厚生労働省労働局長登録教習機関
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8月も半ばとなってきましたが、かねてよりの予想通りかなり高温の日が続いています。
場所によるのでしょうが、私の住んでいるところは、雨が少なく、夕立で涼が立つことも少ないです。
全くほんの少し屋外にいるだけで、暑さにうだってしまいます。
暑い夏で増えるのが熱中症ですが、もう1つ感電も多くなります。
少し古い資料になりますが、統計の一例でこんなのがあります。
夏季の電気事故についてのお願い(経済産業省 平成22年6月1日)
この資料の6Pに、5年間の月別の感電による死亡者統計があります。
合計だけをまとめるとこんな感じです。
関東東北産業保安監督部管内での、感電死亡者数(平成17年から平成22年の合計)
月 | 死亡者数 |
1月 | 1人 |
2月 | 0人 |
3月 | 0人 |
4月 | 1人 |
5月 | 0人 |
6月 | 4人 |
7月 | 4人 |
8月 | 5人 |
9月 | 1人 |
10月 | 2人 |
11月 | 0人 |
12月 | 0人 |
このデータを見ると、6月から9月に事故が多く、8月が突出していることがわかります。
8月に感電事故が多い傾向がある。
ということで、8月は「電気使用安全月間」とされているのです。
では、なぜ夏に感電が多いのか。
それにはこんな理由があります。
1.汗をかくので、電気抵抗が低くなる(電気が流れやすくなる)
2.薄着になって、肌の露出が多くなる。(保護具などを身に着けにくくなる。)
3.湿度が高く、空気や建物などが濡れたり、湿気を帯びて、電気抵抗が低くなる。
主にはこんな理由があるようです。
簡単にまとめると、夏に感電が多い理由は、暑くて湿度が高いからといえそうです。
しかし夏の暑さと湿度は、どうすることもできません。
汗をかくなと言われても無理です。しっかり汗をかかなければ、熱中症で死にますし。
暑いのに、長い間ゴム製の絶縁防具なんてつけてられません。
ある程度は仕方ない面はあるのですが、ポイントを押さえれば、感電は防げるのではないでしょうか。
夏の感電を防ぐ |
感電事故を防ぐ上で最も大事なことは、漏電を防ぐことです。
分電盤にホコリが溜まりまくっていないか、工具などのケーブルが破れていないかなどを確認しましょう。
またコンセントにプラグが刺さりっぱなしで何年も絶っている場合、上にコリが積もっていることがあります。ホコリがショートの原因になることもあるので、掃除をしっかりしましょう。
電気のコンセントを抜き差しする場合の注意ですが、濡れた手では行わないようにします。
理由は言うまでもなく、感電しやすくなるからです。
ドライヤーを抜き差しする場合は、特に注意です。
ちなみに、プラグはコードを引っ張って抜いてはいけません。ケーブルの断線の原因になりますし、被覆が破れることもあります。被覆が破れると漏電するので注意です。
仕事で使う電動工具の取り扱いも注意しましょう。
ケーブルや本体の破損はないかを使用前には点検します。
漏電を防ぐために、グラインダーや丸のこなどの工具は、二重絶縁構造のものを使用するのも安心です。
電工ドラムは屋内用、屋外用の区別がありますので、使い分けます。
屋外用はコンセントに蓋が付き、漏電遮断機がついていたりします。
建設現場では、仮設電気を引込み分電盤を使用していることが多いと思いますが、この管理をしっかり行いましょう。
アースをとり、必要時以外は扉を閉め、鍵をかけます。
分電盤にプラグを繋ぐ場合は、行き先表示を付けるのも大事です。
大雑把に予防方法をまとめましたが、こうして見ると、日々の点検が大事だということが分かります。
分電盤や電動工具などは毎日点検し、異常がないかを確認することが、漏電事故などを防ぐことになるのです。
8月は暑く、汗をかき、肌を露出します。
そのため電気に無防備になるので、感電の危険が高くなるのです。
今月も残り半分。
感電事故は件数としては、多くないのですが、一度起これば致命傷になる確率が高くなります。
電気使用安全月間を1つの契機にして、電気周りの点検をするのもいいですね。