厚生労働省労働局長登録教習機関
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8月12日は、日航機墜落事故があった日です。
今から31年前の1985年に、この大きな事故が起こりました。
今年から8月11日は山の日という祝日になりましたが、もともとは8月12日にという案があったそうです。しかし8月12日は日航機墜落事故があった日なので、避けたとかいう話もあるそうです。
この事故以来、毎年8月12日には慰霊登山が行われています。
慰霊碑までの登山ですが、なるべく訪れやすいように登山道は整備されいます。
今年、この登山道の整備中に、転落するという事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
登山道整備の日航男性社員が滑落、死亡(平成28年7月23日)
23日午前9時40分ごろ、日航ジャンボ機が墜落した群馬県上野村楢原の「御巣鷹の尾根」につながる登山道から、日本航空社員が滑落した。心肺停止状態でヘリコプターなどで同県藤岡市内の病院に救急搬送されたが、約3時間後に死亡が確認された。
県警藤岡署によると、登山者の滑落防止のため登山道脇に設置されている丸太がずれないように、くい打ち作業をしていた際、誤って約50メートル下に滑落し頭部を強く打ったとみられる。ヘルメットを着用していなかった。現場は、登山道入り口から歩いて30分程度の場所で、道の脇には墓標が並んでいる。 |
毎日新聞
この事故の型は「墜落・転落」で、起因物は「斜面」です。
事故は、登山者の滑落防止のための丸太の補修を行っている時、滑り落ちてしまったのでした。
この時50メートル以上滑落したのでした。
作業者はヘルメットもしていませんでした。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
登山道のため、斜面での作業でした。
平地とは違い、足元は安定していません。
とはいうものの、足場などのように高所ではないので、まさか落下するなどとは思わない状況だったことでしょう。
しかし斜面ではあるので、足を滑らせ、落下する危険はあったのでした。
そして落下を防止する対策などは、ありませんでした。
作業方法などについて、事前に計画が作成されていないようでした。
またヘルメットなどの保護具も着用していなかったので、予想外の事故だったといえそうです。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | 作業計画が作成されていなかったこと。 |
2 | 保護具を使用していなかったこと。 |
3 | 作業に不慣れだったこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
登山道の整備作業について、被災した会社員が慣れていなかった可能性があるので、もしかすると土木業者などに依頼するのがよかったのかもしれません。
慣れていない人が作業するのであれば、滑落防止のために手すりを付けるなどの措置があれば、事故は防げた可能性があります。
また、法面や斜面ではロープ高所作業というものがあります。これは特別教育を必要とする作業ではあるので、今回の作業ではそこまでは必要なかったかもしれませんが、少なくとも命綱を体に巻き付けるくらいはあってもよかったのではないでしょうか。
通常業務と異なる作業を行うときは、作業計画や手順を明確にすることが事故防止になります。
対策をまとめてみます。
1 | 専門業者に任せる。 |
2 | 命綱や安全帯を身に着けて作業する。 |
3 | 作業計画や手順を作成する。 |
多くの方が命を亡くされた慰霊のための場の整備で、大事なことではあります。こういった場で、新たに失われる命は防ぎたいものです。