厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第1100話「猫井川、ちょいと現場を振り返り」 |
猫井川は現場の丁張りのしっかり仕切り、順調に終わらせることが出来ました。 丁張りが終えたところで、野虎も現場を確認しました。 「おお、順調に進みましたね。」 「はい、これから掘削ですね。」 猫井川は答えました。 「それじゃ、また事故がないようによろしく。」 一通り野虎は現場を確認すると、現場事務所に戻って行きました。 元請けのチェックを受けたところで、猫井川たちは片付けをして、現場を後にしました。 事務所に戻り、明日の準備を終えると、帰宅しました。 猫井川は会社から電車で数駅の場所に、住んでいます。 夕暮れの中、少しずつ外灯が灯り始めています。 猫井川は長く伸びた自分の影を追いかけながら、駅から実家まで歩いて行くのでした。 家に着くと、ドアを開けると、玄関には妹のミュウがいました。 「あ、兄ちゃん、おかえり。」 「おう、ただいま。 「そうみたいね。」 そうして、猫井川が靴を脱いで、上がり框に足をおいた時、 「あ、汚い!」 と、ミュウが声を上げました。 「何その靴下。泥だらけじゃない! と強い調子で言うのでした。 そう言われて、猫井川が自分の足元を見てみると、猫井川の靴下は土で汚れているでした。 「ああ、今日の現場で汚れたからだな。」 「きちんと脱いでから、上がってよね。 妹ミュウの強い口調に、苦笑いしながら靴下を脱いで、泥を払ってからあがったのでした。 泥に汚れていることもあり、まず風呂に入り、食事をしていると、ミュウがビールを持って食卓に着きました。 「ご飯は?」 猫井川が聞きます。 「兄ちゃんがお風呂に入ってる間に食べてわよ。 「おっさんみたいだな。」 「うっさいわね。 「いや、やめとくよ。」 「そう。」 しばらく静かに飲んでいたミュウですが、唐突に 「今の現場も土だらけになるの?」 「ああ、さっきの靴下な。 「そうなの。」 「今の現場は、俺が担当しているからな。 「そうなの。担当って?」 「下請けで受けてる工事だけど、俺が現場監督ということ。 「へー、すごいんだ。」 「おう、今回は現場行くより、事務仕事が多くて。 「そんなものなのね。 「そうだな、今は調査と準備が終わって、これから本格的に本格的に作業だよ。 「へー、よくわかんないけど、これから大変なのね。」 「そうだな、ずっと鼠川さんという人が一緒だから、何とかなってる。」 「鼠川さんて、あの若い奥さんがいる人?」 「そうそう、その人。」 「その人、スペインレストランにいるんでしょ?今度連れて行ってよ。」 「よく覚えているな。また今度な。」 「ちゃんと連れて行ってよね。」 「覚えとく。ところで、お前の方は仕事どうなの?」 「ん?私?順調よ。」 ミュウは、高専を卒業後、工作機械のメーカーに勤め、あちこちの工場に行って機械のメンテナンスをやっているのでした。 「でも、変な会社はいっぱいあるね。 「そんなもんか。なんか面白い話ある?」 「面白いことね。 「ああ。」 「足跡というと、変なことがあったのよ。」 「へー、どんな?」 「この前メンテに行った工場は、すごく掃除とかも行き届いていて、いつも床もピカピカなのよ。 「誰かが汚れた靴で歩いたんじゃないの?」 「うん、普通はそう考えるよね。 「なんだろうね?それ。 「昼休みの間よ。変でしょ? 「どうしてかはわかったの?」 「うん、私が解決した。」 「え、そうなの?」 「うん、私そういうの好きだから。 ちょっと胸は張るミュウ。 「お前すごいな。 「それはね・・・」 こうして、猫井川家の夜は夜は更けていくのでした。 |
今回で、このヒヤリハットも100話になります。
よくここまで続けてきたなと思います。
毎回、ネタとシチュエーションを考えるのが大変です。
100話目ということで、今回はヒヤリハットではなく、ちょっとブレイクを入れてみました。
ミュウの話は気になりますが、また機会あればそんな話も書いてみたいなと思います。