危険物・有害物○安衛法と仲良くなる

アセチレン溶接装置とガス集合溶接の取り扱い その6。

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アセチレンやその他のガスを用いての溶接では、取り扱いを正しくしなければなりません。
おいそれと扱ってしまうと、火災や爆発など、大きな災害を招いてしまうこともあるからです。

アセチレンなどでの溶接作業では、作業を取り仕切る作業主任者が必要です。
作業主任者についても安衛則で規定されています。

【安衛則】

(ガス溶接作業主任者の選任)
第314条
事業者は、令第6条第2号 の作業については、ガス溶接作業主任者免許を有する者のうちから、
ガス溶接作業主任者を選任しなければならない。

令第6条第2号とは、「アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の作業」です。

アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱では、作業主任者を選任しなければなりません。

作業主任者は、技能講習を修了することで資格が得られます。

(ガス溶接作業主任者の職務)
第315条
事業者は、アセチレン溶接装置を用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行なうときは、
ガス溶接作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。

  1)作業の方法を決定し、作業を指揮すること。

  2)アセチレン溶接装置の取扱いに従事する労働者に次の事項を行なわせること。

   イ 使用中の発生器に、火花を発するおそれのある工具を使用し、又は衝撃を与えないこと。
  
   ロ アセチレン溶接装置のガス漏れを点検するときは、石けん水を使用する等
     安全な方法によること。

   ハ 発生器の気鐘の上にみだりに物を置かないこと。

   ニ 発生器室の出入口の戸を開放しておかないこと。

   ホ 移動式のアセチレン溶接装置の発生器にカーバイドを詰め替えるときは、
     屋外の安全な場所で行なうこと。
  
   ヘ カーバイド罐を開封するときは、衝撃その他火花を発するおそれのある行為をしないこと。

  3)当該作業を開始するときは、アセチレン溶接装置を点検し、かつ、発生器内に空気と
    アセチレンの混合ガスが存在するときは、これを排除すること。
 
  4)安全器は、作業中、その水位を容易に確かめることができる箇所に置き、
   かつ、1日1回以上これを点検すること。

  5)アセチレン溶接装置内の水の凍結を防ぐために、保温し、又は加温するときは、温水又は蒸気を
    使用する等安全な方法によること。

  6)発生器の使用を休止するときは、その水室の水位を水と残留カーバイドが接触しない状態に保つこと。

  7)発生器の修繕、加工、運搬若しくは格納をしようとするとき、又はその使用を
   継続して休止しようとするときは、アセチレン及びカーバイドを完全に除去すること。

  8)カーバイドのかすは、ガスによる危険がなくなるまでかすだめに入れる等安全に処置すること。

  9)当該作業に従事する労働者の保護眼鏡及び保護手袋の使用状況を監視すること。

  10)ガス溶接作業主任者免許証を携帯すること。

アセチレン溶接装置を使用する場合は、作業主任者に必要な職務をとらさなければなりません。

この職務ですが、結構たくさんあります。

1.作業の方法を決定し、作業を指揮すること。

2.アセチレン溶接装置を取り扱う作業者に次の事を守らせる。
   ・使用中の発生器の側では衝撃と火気厳禁。
   ・ガス漏れ点検では、石鹸水を使うなどの安全な方法をとらせる。
   ・発生器の上に物を置かせない。
   ・発生器室の出入り口は、開けたままにしておかない。
   ・移動式の発生器のカーバイドを詰め替えは、屋外の安全な場所で行わせる。
   ・カーバイドの容器を開封するときは、衝撃と火気厳禁。

3.当該作業を開始するときは、アセチレン溶接装置を点検する。発生器内に混合ガスが存在するときは、排除する。

4.安全器は、作業中に水位が確認できる位置に置く。1日1回以上これを点検する。

5.アセチレン溶接装置内の水の凍結を防ぐために、保温し、又は加温するときは、温水又は蒸気を
  使用する等安全な方法によること。

6.発生器の使用を休止するときは、水室の水位を水と残留カーバイドが接触しない状態に保つ。

7.発生器の修繕、加工、運搬若しくは格納、使用を休止しようとするときは、アセチレン及びカーバイドを完全に除去する。

8.カーバイドのかすは、ガスによる危険がなくなるまでかすだめに入れる。

9.作業者の保護眼鏡及び保護手袋の使用状況を監視する。

10.ガス溶接作業主任者免許証を携帯すること。

溶接作業中には、安全な作業を監視することが職務と言えます。

第316条
事業者は、ガス集合溶接装置を用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行なうときは、
ガス溶接作業主任者に次の事項を行なわせなければならない。

  1)作業の方法を決定し、作業を指揮すること。

  2)ガス集合装置の取扱いに従事する労働者に次の事項を行なわせること。

   イ 取り付けるガスの容器の口金及び配管の取付け口に付着している油類、じんあい等を除去すること。

   ロ ガスの容器の取替えを行なったときは、当該容器の口金及び配管の取付け口の部分のガス漏れを点検し、
     かつ、配管内の当該ガスと空気との混合ガスを排除すること。

   ハ ガス漏れを点検するときは、石けん水を使用する等安全な方法によること。

   ニ バルブ又はコックの開閉を静かに行なうこと。

  3)ガスの容器の取替えの作業に立ち合うこと。

  4)当該作業を開始するときは、ホース、吹管、ホースバンド等の器具を点検し、損傷、摩耗等により
   ガス又は酸素が漏えいするおそれがあると認めたときは、補修し、又は取り替えること。

  5)安全器は、作業中、その機能を容易に確かめることができる箇所に置き、
   かつ、1日1回以上これを点検すること。

  6)当該作業に従事する労働者の保護眼鏡及び保護手袋の使用状況を監視すること。

  7)ガス溶接作業主任者免許証を携帯すること。

アセチレン以外のガス集合溶接装置で溶接等の作業をする時も、作業主任者が必要です。
ガス集合溶接装置の作業主任者も必要な措置をとらせなければなりません。

アセチレン作業時の職務と共通しているものが多いのですが、次の通りです。

1.作業の方法を決定し、作業を指揮する。

2.ガス集合装置を取り扱う作業者に次の事項を行なわせる。
  ・取り付けるガスの容器の口金及び配管の取付け口に付着している油類、じんあい等を除去させる。
  ・ガスの容器の取替えを行なったときはガス漏れを点検し、配管内の混合ガスを排除させる。
  ・ガス漏れ点検では、石鹸水を使うなどの安全な方法をとらせる。
  ・バルブ又はコックの開閉を静かに行なわせる。

3.ガスの容器の取替えの作業は立ち会う。

4.作業開始時は器具の点検を行う。異常があれば、補修するなどする。

5.安全器は、作業中、機能を容易に確かめることができる位置に置く。1日1回以上点検する。

6.作業者の保護眼鏡及び保護手袋の使用状況を監視する。

7.ガス溶接作業主任者免許証を携帯すること。

ガス集合溶接装置の作業時も、安全に作業していることを監視するのが職務といえます。

まとめ。

【安衛則】

第314条
アセチレン溶接装置またはガス集合溶接装置を使用しての作業 を行うときは、ガス溶接作業主任者を選任しなければならない。
第315条
アセチレン溶接装置を用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業では、ガス溶接作業主任者は、必要な職務をとらなければならない。

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