厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第102話「猫井川、オーガの泥に巻き込まれ」 |
一通りの準備工が終わり、いよいよ本格的な工事が始まりました。 猫井川は朝、現場に到着すると朝礼やKYなどを終え、一緒に作業する保楠田と鼠川と打ち合わせしました。 「今日の午後に、地盤改良用のオーガが入っています。 地盤改良の業者も午後から来るみたいです。」 「オーガが来たら、どうするんだ?」 鼠川が聞きます。 「オーガの組立ては、業者がやるので、引き続き地ならしですね。」 「明日からはどうするんだ?」 「試掘していくんですが、掘削しなければならない場所もあるので、そっちをやっていきます。 「そうか、お前は地盤改良の方もしっかり見てないとダメなんじゃないか?」 「そうですね。ある程度は任せるつもりですけど、写真とか撮らないといけないので、一応そのつもりです。 「それは構わんよ。お前は全体を見ておく必要があるから、それは忘れるなよ。」 「はい。それじゃ、午前はこっちの仕事をやりましょう。」 猫井川の合図で、作業に取り掛かりました。 保楠田はショベルカーに乗り込み、エンジンを掛けます。 地盤改良をするにあたって、地表を均していくのでした。 広い作業場の3分の1程度を均して来たところで、午前中の作業は終わりました。 昼休みの後、午後の準備をしていると、トレーラーに載せられたオーガが届きました。 「おお、届いたか。」 鼠川はその様子を見て、言いました。 「そうですね。では早速降ろして準備ですね。」 猫井川は地盤改良の担当者のもとに行くと、打ち合わせを始めたのでした。 打ち合わせや、新規入場者などを終えると、早速オーガの組立てです。 猫井川はしばらくその様子を見ていましたが、ある程度段取りがついた時点で、保楠田たちのもとに戻って行きました。 「もういいのか?」 猫井川が戻ってきたのを見て、鼠川が手を止めます。 「ええ、今日は組立てだけみたいですね。 こうして、3人は午前に引続き、地均しを行ったのでした。 「明日は朝からですね。」 猫井川は、明日ボーリングすることを確認して、その日の作業を終えたのでした。 次の日。 朝からオーガのエンジンがかかっています。 そして、あらかじめマークしておいたポイントに、刃を当て、ねじ込んで行くのでした。 「おお、ぐいぐい入る。」 少し離れた場所で様子を見ていた猫井川は、声を漏らしました。 オーガが杭を地中深くの差し込まれ、そして引き抜かれます。 「大丈夫そうですね。次のポイントをやりましょうか。」 1箇所目が終わると、場所を移動して、2箇所目の刃をねじ込んで行きました。 猫井川は2メートルくらい離れた位置で、その様子を写真を撮影しながら、見ていました。 地中深くまで、杭が入りました。 徐々に杭が引く抜かれた時でした。 「うわっ!?」 飛び跳ねた土は猫井川まで飛び、目に入ったのでした。 「大丈夫ですか?」 オーガの運転手が声をかけます。 「だっ、大丈夫です。」 かろうじて答え、目をゴシゴシしようとしましたが、思いとどまり、水道まで歩いていくことにしました。 水道で目を洗うと、ようやく土がとれたのでした。 杭はかなり引き上げられている様子でした。 なんとも、先行きが見えないことか。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回から、土木作業が開始ですね。
まずは地盤改良です。
地盤改良は地面なかに杭などを打ち込み、セメントなどの改良材を充填します。
こうして、地盤を堅固にするのです。
地盤改良機械として、オーガなどを使いますが、あまり近づきすぎてはいけません。
猫井川も2メートルの距離は保っていたのですが、土が飛んでくるくらいですから、十分な距離ではなかったようです。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | オーガの近くに立っていたら、土が飛んできて。目に入った。 |
対策 | 1.立入禁止の区画距離を広くする。 2.オーガは、きれいに泥を取りながら、ゆっくり引抜く |
今回は試掘のプレボーリングでしたが、本格的に掘削作業が入っていきます。