はさまれ・巻き込まれ○事故事例アーカイブ

工場で研磨機に挟まれ男性死亡(滋賀県栗東市)

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先日、ある工場に安全研修に伺いました。
テーマは、はさまれ・巻き込まれです。これはつい先日、ベルトコンベアに指がはさまれそうになったというヒヤリハットがあったことを踏まえてのことです。

はさまれ・巻き込まれは、製造業の事故の中で2番目に多い事故です。
指を挟む事故などもありますが、場合よっては命関わる事故もあります。

機械にはさまれたり、巻き込まれたりする事故は命に関わるものが多いのです。

滋賀県栗東市で、研磨機に挟まれる事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

工場で研磨機に挟まれ男性死亡(平成28年9月6日)

6日午前3時20分ごろ、滋賀県栗東市高野、自動車部品製造の工場内で、作業中だった作業員が研磨機に体を挟まれ死亡した。

滋賀県警草津署によると、自動車部品などを研磨機を使って加工する作業をしていた際、誤って上半身を巻き込まれたとみられる。同署が事故原因を調べている。

この事故の型は「はさまれ・巻き込まれ」で、起因物は「工作機械(研磨機)」です。

この事故は、自動車の部品を研磨機を使って加工していた時、上半身がはさまれてしまったというものです。

何かしらの原因で、体を機械に入れてしまったのでしょう。
動いている機械に手を出したり、体を触れさせてしまうと、巻き込まれたり、挟まれたりします。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

まず、挟まれた原因は、動いている機械に触れたことです。
なぜ、触れたのか。
記事では分かりませんが、同様の事故パターンから推測すると、機械の詰まりを取ろうとするなどのトラブルに対処しようとした時に起こりやすいようです

トラブルなどがあった場合の報告・連絡体制などの手順がなかったこと。
さらに1人で解決しようとしたこと。

このようなことが、大きな事故を招いた原因になった可能性があります。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

稼働中の機械に接触したこと。
トラブル時などの対応手順が決まっていなかったこと。
トラブルなどを1人作業で対処したこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

機械の回転部や開閉部に体や手などを入れてはいけません。
もし何か触る必要があれば、まず機械を止めることが必要です。

とはいうものの、多くの機械は接触防止のための安全装置があります。こういった安全装置を向こうにしてはいけません。

機械に物が詰まったりなどのトラブルなどがあれば、まずは職長やライン長などのリーダーに報告したり、連絡したりすることが大事です。報告して、どうするのかなどの指示に従います。

また、トラブル対応中に事故に巻き込まれることを防ぐため、1人作業で行ったはいけません。
2人以上で対応します。
1人だと、もしもの時対応できないのです。

対策をまとめてみます。

機械に接触する時は停止させる。
トラブル時などは、リーダーに報告し、指示に従う。
2人以上で対応する。

機械などのトラブルは、1人で何とかしようとしないことです。
責任感からやってしまうのかもしれませんが、これが大きな事故になることもあるのです。

トラブル時の作業手順なども定め、従うことが重要です。

index_arrow 違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

第107条
機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止させなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

機械による危険の防止 共通一般その2

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