厚生労働省労働局長登録教習機関
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石綿の作業中は、粉じんを吸い込むわけにはいきません。
そのために保護具の着用などが必須になるのですが、これに加えて粉じんを排出する措置も必要になります。
排出する装置として使われるのが、局所排気装置やプッシュプル型換気装置です。
局所排気装置は粉じんの排出に効果を発揮しますが、正しく使用しないと十分な効果が得られません。
局所排気装置などについても、石綿則に規定されています。
【石綿則】
局所排気装置は、換気扇のように部屋全体の空気を排出するものではありません。
発生源の近くに吸込み口を起き、ピンポイントで排気するものです。
いわば、ホコリが立つところに、掃除機のノズルを近づけるようなものです。
プッシュプル型換気装置は、送風機と排気装置がセットになっており、常に一定方向の気流を起こしているものです。
この気流に粉じんを載せて、排気します。
いずれも粉じんの拡散を防ぐことができますが、正しく使わなければなりません。
局所排気装置やプッシュプル型換気装置は、一定の要件を満たさなければなりません。
局所排気装置は、次の要件が満たします。
1)フードは、発散源ごとに設ける。
外付け式又はレシーバー式のフードの場合、発散源にできるだけ近い位置に設ける。
2)ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なくする。
適当な箇所に掃除口が設け、掃除しやすい構造にする。
3)排気口は、屋外に設ける。
4)厚生労働大臣が定める性能を有する。
2〜4については、プッシュプル型換気装置も、満たさなければなりません。
石綿除去などの作業中は、局所排気装置やプッシュプル型換気装置は常に稼働させておく必要があります。
稼働中は、排気や気流などの流れを阻害することがないような措置が必要になります。
石綿の粉じんを局所排気装置などで排気しても、それを外部の空気中にそのまま排出するわけにはいきません。
排気された石綿を取り除いた上で、空気を排出しなければなりません。
局所排気装置などには、除塵装置を取り付けなければなりません。
除塵装置は、粉じんの粒径によって、除塵方式を異なります。
5未満 ろ過除じん方式、電気除じん方式
5以上20未満 スクラバによる除じん方式、ろ過除じん方式、電気除じん方式
20以上 マルチサイクロンによる除じん方式、スクラバによる除じん方式、ろ過除じん方式、電気除じん方式
粒径が小さくなると、使える除塵方式が限られるので注意が必要です。
まとめ。
【石綿則】
第16条 石綿の除去作業で使用する局所排気装置は、要件を満たしたものを使用しなければならない。 |
第17条 局所排気装置又はプッシュプル型換気装置は、作業中要件を満たすように稼働させなければならない。 |
第18条 石綿等の粉じんを含有する気体を排出する局所排気装置若しくはプッシュプル型換気装置は、適切な除じん方式による除じん装置を設けなければならない。 |