厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第111話「猫井川、暴れるベビーサンダーに翻弄さる」 |
猫井川と鼠川は、牛黒が行っている補修工事の現場に駆り出されていました。 この牛黒の仕事は、まだ数日続く予定でした。 「お二人さん、明日も頼むよ。」 作業を終えると、牛黒が汗を拭き拭き話しかけてきました。 すると鼠川が、 「わしは、明日は休むぞ。」 と言いました。 「明日休むんですか?」 猫井川が聞くと、 「ああ、今週はちょっとな。」 と答えました。 「じゃあ、猫井川だけでも頼むよ。」 牛黒は、猫井川の方に向くと両手を合わせ、拝むような仕草をしました。 「分かりました。俺は来ますよ。」 こうして翌日は、猫井川だけがヘルプに来ることになったのでした。 翌日、猫井川が現場に到着すると、まだ牛黒は来ていませんでした。 しばらく現場で待っていると、牛黒が乗ったダンプが到着したのでした。 「もう来てたのか。待たせてしまってすまんかった。」 「大丈夫です。俺もさっき来たとこですし。」 「そうか、今日は昨日の続きで塗装だから頼むよ。 こうして2人は準備をすると、作業に取り掛かっていったのでした。 牛黒は、ベビーサンダーを持つと、めくれ上がった塗装やモルタルを削っていきました。 牛黒はしばらくベビーサンダーをかけると、次は練られたモルタルを手にして、塗りの作業を始めました。 猫井川は、配管などの塗装をしていくのでした。 無言のまま、作業を続ける2人。 猫井川も配管の塗装を続けていました。すると塗装が剥がれ、浮き上がっている場所が出てきました。 「塗装が浮いているとこは、ケレンしなきゃだめですか?」 猫井川が高所作業車の上の牛黒に言いました。 「そうだな、浮いたとこだけでいいからベビーサンダーかけてくれ。」 上から見下ろすようにして、牛黒は答えました。 ケレンについて確認した猫井川は、あたりを見渡し、先ほどまで牛黒が使っていたグベビーサンダーを探しました。 猫井川は、コードをつかみ、ベビーサンダーを持ち上げました。 電工ドラムのケーブルを延ばし、配管の塗装が浮き上がっている場所まで、運びました。 運び終えると、ベビーサンダーのプラグを電工ドラムのコンセントに挿し込みました。 コンセントに差し込まれた瞬間、ベビーサンダーは回転し始めたのでした。 思いもよらぬ回転に焦る猫井川。 動きが止まり、ほっと胸を撫で下ろす猫井川。 少し非難めいた目で牛黒を見上げましたが、当の牛黒は全く気づいていません。 それから電工ドラムのコンセントに差し込むと、今度は動きませんでした。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回は電動工具のヒヤリハットです。
ベビーサンダーや丸のこ等は、電工ドラムにケーブルを差し込んで、スイッチを入れて動かします。
原則として、コンセントを差し込む時はスイッチを切っておかなければなりません。なぜなら、スイッチを入れたままにして、コンセントを入れると、通電した瞬間に動き出してしまいます。
これは、動くことを想定していないので、びっくりしてしまいます。
もし回転部が体の一部に接していたら、怪我をしてしまいます。
電動工具を使用する時は、必ずスイッチを切ってから、プラグを抜きましょう。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | スイッチが切られていないベビーサンダーのプラグをコンセントに挿したら、動き出した。 |
対策 | 1.ベビーサンダーは必ずスイッチを切る。 2.コンセントに挿す前に、スイッチを確認する。 |
電動工具のスイッチ入り切りに関して起る事故も、年間何件か発生しているようです。
不意の出来事事故を招きやすいので注意が必要です。