厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
建設工事での事故で多いのは、墜落・転落です。
足場や屋根での作業中、落下してしまうのです。
事故を防ぐために、足場には適切な手すりなどの墜落防止設備を設けることや、安全帯を使用するなどで防止します。
このような墜落防止に関する教育も強化されているのですが、それでも事故は絶えません。
滋賀県日野市の建設現場で、屋根から墜落する事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
高さ10メートル屋根を移動中…作業用の穴に転落して死亡 (平成28年10月15日)
滋賀県日野町の作業用施設の建設現場で15日午後3時55分ごろ、アルバイトとして作業中だった男性介護士が高さ約10メートルの屋根から転落し、死亡が確認された。
滋賀県警東近江署によると、男性は屋根を後ろ向きに移動しながら防水シートを張る作業をしていた際、空調設備を埋め込むために開いていた約1・3メートル四方の穴に転落した。 同署が当時の安全管理の状況などを調べている。 |
この事故の型は「墜落・転落」で、起因物は「構造物(屋根)」です。
事故にあったのは、アルバイト作業中の作業者でした。
屋根の上で、防水シートを張る作業を行っていた時、空調設備用の開口部に墜落したのでした。
この事故には、注意すべき点が多々あるようです。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
被害にあった作業者は、介護士でアルバイトで、工事現場に入っていました。
普段から建設作業に携わっていたわけではないので、経験や知識などが十分でなかったと考えられます。
慣れていない人が入るのに、安全教育がしっかりされていなかった可能性があります。このような作業者を使用しているのにも関わらず、職長などの監視が十分でなかったのではないでしょうか。
また屋根の開口部が開いたままになっていたようなので、墜落する危険を放置していたことも問題です。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | アルバイトの安全教育が行われていなったこと。 |
2 | 屋根の開口部が開いたままにされていたこと。 |
3 | 職長等が作業場の監視をしていなかったこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
初めて作業現場に入る時は、新規入場者教育を行なわなければなりません。特にアルバイトなどが作業現場に入るときには、基本的な安全対策についても教育します。
基本的な安全教育は、高所では安全帯を使用するや、安全通路の整理整頓なども省略せずに行います。
教育をしても、知らず知らずのうちに不安全行動をとってしまうこともあります。そのため職長などが、目を見張らせることが必要になります。
対策をまとめてみます。
1 | 新規入場者教育を行う。 |
2 | 開口部には、覆いなどで養生を行う。 |
3 | 職長は作業状況を監視する。 |
不慣れな作業者は、本人も意識せずに不安全行動をとってしまいます。
その指導を行うことも、職長の職務なのです。
また不安全行動をとったとしても、事故にならないよう、不安全状態をなくすようにすることも行わなければなりません。
違反している法律 |
この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。
第519条
高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等には、囲い、手すり、覆い等を設けなければならない。 |
これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。