有機則

有機溶剤取り扱い時の規則。その3。

有機溶剤には、有機則第1条の定義にあるように、第一種、第二種、第三種との区分があります。

各区分に含まれる物質については、安衛令別表第6の2にあります。
個別の物質については「有機溶剤取り扱い時の規則。」か安衛令別表6の2を参考にして頂ければと思います。

なぜこのような区分があるのか。
非常に簡単に説明すると、毒性、有害性の強さの区分です。
第一種は発がん性などが毒性が強いもの、第ニ種も第一種に次いで毒性が強いものです。3つの区分では第三種が毒性が低いものになるのですが、無害かというと、そんなことはありません。第三種には、ガソリンなどが含まれるのですが、取り扱いに注意が必要なことは分かるではないでしょうか。

各区分の容器などは、色分けで管理されます。
第一種 赤色
第二種 黄色
第三種 青色

屋内作業等で、各区分の有機溶剤を使用するには、体内に取り込まないための設備対策が必要です。
特に第一種と第二種は、これらの設備管理がないと、仕事してはいけません。

これらの設備について、有機則に規定されています。

【有機溶剤中毒予防規則】

第2章 設備

(第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る設備)
第5条
事業者は、屋内作業場等において、第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務
(第1条第1項第6号ヲに掲げる業務を除く。以下この条及び第13条の2第1項において同じ。)に
労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務を行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、
局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。

第一種は発がん性などあり、第二種も有害性が強い物質です。
これらの物質を単独で使用することは少ないでしょうが、塗料など混合物として使用することもあるはずです。

使用時には、口や鼻などはもちろん、皮膚への接触も避ける必要があり、そのための設備などが必要になります。

屋内で第一種、第二種有機溶剤を使用する場合は、有機溶剤の発生源を密閉する設備や局所排気装置、プッシュプル型換気装置を設けなければなりません。

屋内での有機溶剤業務(具体的には、第1条第6号の一覧。ただしヲを除く)では、これらの設備を必要とします。
設備は、密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置などです。保護具は含まれないで、注意が必要です。

(第三種有機溶剤等に係る設備)
第6条
事業者は、タンク等の内部において、第三種有機溶剤等に係る有機溶剤業務(第1条第1項第6号ヲに
掲げる業務及び吹付けによる有機溶剤業務を除く。)に労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務を
行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置
又は全体換気装置を設けなければならない。

2 事業者は、タンク等の内部において、吹付けによる第三種有機溶剤等に係る有機溶剤業務に
  労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務を行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、
  局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。

第三種の有機溶剤は、第一種や第ニ種以外の指定物質です。これらに比べると毒性は低いものの、有毒であることには違いありません。
蒸気を大量にまたは、長時間吸い込むと、頭痛や吐き気など、健康に被害があります。そのため、有機溶剤業務では、設備を必要とします。

タンク等の内部で、第三種有機溶剤等の業務では、有機溶剤の発生源を密閉する設備や局所排気装置、プッシュプル型換気装置を設けなければなりません。

前条と違う点は、屋内ではなく、タンク等の内部ということです。完全に通気がない場所において、これらの設備が必要ということです。

また業務内容も、吹付け作業が除外となっています。

第三種も通気性がない場所では、体内に取り込ませない設備が義務なのです。

まとめ。

【有機溶剤中毒予防規則】

第5条
屋内作業場等において、第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務では、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。
第6条
タンク等の内部において、第三種有機溶剤等に係る有機溶剤業務では、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置
又は全体換気装置を設けなければならない。

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