厚生労働省労働局長登録教習機関
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有機溶剤は、健康被害のリスクがある作業です。
そのために、作業中は局所排気装置やプッシュプル型換気設備などの設備面での対策が必要になります。
一方、人の面での管理も重要になります。
人の面での管理で肝になるのが、作業主任者です。
有機溶剤業務では、作業主任者の選任が必要になります。
作業主任者についても、有機則で規定されています。
【有機溶剤中毒予防規則】
危険な作業では、作業主任者の選任が必要になります。
有機溶剤業務も健康被害のリスクがあるので、危険作業に含まれるのです。
有機溶剤作業では、一部の業務を除いて、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、作業主任者を選任しなければなりません。
除外される一部の業務とは、安衛令第6条第22号に規定されています。
【安衛則】
(作業主任者を選任すべき作業) 第6条 第22号 |
屋内など閉鎖され、通気性の悪い場所で、有機溶剤(第1種、第2種など指定物質の重量が5%以上の含まれる混合物)を製造したり、取り扱う業務ということです。
有機則第1条の有機溶剤取扱業務で定義されているものです。
ちなみに、本条文中に、「第1条第1項第6号ルの業務を除く」とあります。これは「有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務」ということで、大学などの研究機関で実験する場合などは、作業主任者は不要となります。取扱う量が工業に比べ、少ないからでしょうね。
その他1号、2号に選任不要の場合がありますが、これらは有機則第2条と第3条にある「適用除外」の条件に当てはまる場合のことです。
作業主任者は、誰でもなれるわけではありません。
有機溶剤作業主任者技能講習を修了した人だけです。
そのため、有機溶剤を取り扱う事業場は、必要な人員に技能講習を受けさせる計画も立てることも大事ですね。
作業主任者は、何より有機溶剤業務によって作業者が健康被害を受けないように管理することが重要になります。
有機溶剤作業主任者は職務を果たさなければなりません。
職務は次の通りです。
1.作業方法を決定し、作業者を指揮する。
2.局所排気装置などの設備を毎月(1ヶ月以内ごと)点検する。
3.作業中、保護具の使用状況を監視する。
4.タンクの内部において有機溶剤業務では、必要な措置をとる
4の措置については、有機則第26条の措置です。
内容を簡単にまとめると、次のとおりです。
1.作業開始前、有機溶剤等が流入するおそれのない開口部をすべて開放すること。
2.労働者の身体が有機溶剤等により汚染したとき、作業が終了したときは、働者に身体を洗浄させ、汚染を除去させること。
3.事故が発生したときに直ちに退避させることができる設備又は器具等を整備しておくこと。
4.有機溶剤等を入れたことのあるタンクについては、作業開始前に洗浄し、その洗浄水などは排出する。作業中に排液などが流入しないようにすること。
第26条はまた改めて紹介します。
作業主任者を選任したら、作業場に氏名と職務を掲示しなければなりません。
まとめ。
【有機溶剤中毒予防規則】
第19条 有機溶剤業務は、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任しなければならない。 |
第19条の2 有機溶剤作業主任者には、作業方法の決定や指揮、換気装置の点検などの職務を行なわなければならない。 |