厚生労働省労働局長登録教習機関
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有機溶剤の取扱では、蒸気を吸い込まないこと、そして皮膚に接触させないことが重要です。
皮膚への接触防止のためには、手袋や保護衣などの保護具の着用が欠かせません。
吸引を防ぐためにも保護具は有効ですが、それ以上に局所排気装置などを有効に使用することが重要です。
局所排気装置を有効に使用するには、普段から維持管理すことが大事です。
維持管理は機械の点検をすることから。
定期点検などについても、有機則に規定されています。
【有機溶剤中毒予防規則】
局所排気装置は有機溶剤の蒸気発生源近くに吸気口を配置し、蒸気が発生すると同時に吸い込み、排気します。
十分に機能させるためには、吸引力が要となります。
吸引力を維持するためには、定期検査で性能の確認を行なわなければなりません。
局所排気装置は1年以内ごとに、定期自主検査を行なわなければなりません。
なお1年以上使用しない装置については、検査は免除となります。ただし再稼働させる際には、検査しなければなりません。
検査の項目は、2項の1~7号になります。
1.フード、ダクト及びファンの外観。摩耗、腐食、くぼみその他損傷の有無及びその程度
2.ダクト及び排風機におけるじんあい(埃など)のたまり具合。掃除する。
3.排風機の注油状態。油切れを起こしてないかなど。
4.ダクトの接続部における緩みの有無
5.電動機とファンを連結するベルトの作動状態。キレやたるみなども。
6.吸気及び排気の能力。性能検査
7.その他
装置全体を停止させ、入念に点検する必要があります。
有機溶剤の作業で使用するのは、局所排気装置だけではありません。
プッシュプル型換気装置も使用されます。
プッシュプル型換気装置も1年以内に1回、定期自主検査を行なわなければなりません。
検査項目は、前条(第20条)と同じです。
ただ次の通り、用語の読み替えが必要になります。
排風機 → 送風機及び排風機
吸気 → 送気、吸気
その他の内容は同じです。
(記録) 第21条 事業者は、前2条の自主検査を行なったときは、次の事項を記録して、これを3年間保存しなければならない。 1)検査年月日 2)検査方法 3)検査箇所 4)検査の結果 5)検査を実施した者の氏名 6)検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容 |
定期自主検査を行ったら、記録を残さなければなりません。
定期自主検査の記録は3年間保存しなければなりません。
検査時に点検票に記入するので、それを保存しましょう。
点検票には、1~6号の内容が盛り込まれていなければなりません。
局所排気装置やプッシュプル型換気装置などは設置後、使用し続けるには、1年以内に1回は自主検査が必要です。
このような定期検査以外にも、点検が必要なときがあります。
局所排気装置やプッシュプル型換気装置などを、初めて使用する時、分解や修理した後などは、点検しなければなりません。
点検内容は、定期自主検査ほど細かくありませんが、共通しています。
1.ダクト及び排風機におけるじんあいのたい積状態
2.ダクトの接続部における緩みの有無
3.吸気及び排気の能力
4.その他
1と3は定期自主検査でも実施する内容です。2は目視やボルトやネジの増し締め、打音検査などでの確認になります。
設置や修理は、自社では委託業者にお願いすることが多いともいますが、
(補修) 第23条 事業者は、第20条第2項及び第3項(第20条の2第2項において準用する場合を含む。)の 自主検査又は前条の点検を行なった場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。 |
定期自主検査や点検で異常があっても放置してはいけません。対処が必要です。
定期自主検査や点検で異常があった場合は、直ちに補修しなければなりません。
使用は、補修が修了してからになります。また補修内容も記録に残しておくとよいでしょう。
まとめ。
【有機溶剤中毒予防規則】
第20条 局所排気装置については、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならない。 |
第20条の2 プッシュプル型換気装置も1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならない。 |
第21条 自主検査を行なったときは、記録しを3年間保存しなければならない。 |
第22条 局所排気装置をはじめて使用するとき、又は分解、改造、修理を行ったときは、点検を行わなければならない。 |
第23条 自主検査や点検を行い、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。 |