その後得た情報により、こちらのページに補足をしております。
今から約半年後からですね。
改正では、安全帯という呼び名も、墜落制止用器具と改められることも決定しています。とはいうものの、法律上の呼び名の変更に過ぎないので、実際には安全帯等の呼び名が残ると思いますが。
これらの法改正については先日の記事でも書きましたので、そちらをご参考ください。
さて、墜落制止用器具について、6月22日に厚生労働省より、追加情報が発表されました。
今回の発表内容のメインは、次のとおりです。
1 ガイドライン策定の趣旨や適用範囲、用語の説明
2 墜落制止用器具(フルハーネス型、胴ベルト型)の選定
3 墜落制止用器具を安全・適切に使用するための方法
4 墜落制止用器具の点検・保守・保管方法(点検結果などの記録)
5 廃棄基準:衝撃がかかった器具、点検時に異常があったものなどの不使用
6 特別教育:安全に作業を行うための学科科目や実技科目の受講
ガイドラインには細かく記載がありますが、主要なポイントはリーフレットを見るのが良いと思います。
もしかすると、安全大会ですでにリーフレットを見たという人もいるかも知れませんね。
今回のガイドラインですが、5月に発表された内容と、大きく変わりません。
詳細になったのは、2の今後使用可能となる器具の要件などですしょうか。これはメーカーには重要ですが、ユーザーにはあまり関係する話ではないと思われます。
ユーザーにとって重要なのは、上記の5の特別教育に関してでしょう。
今まで特に資格を必要としなかった安全帯が、特別教育の対象となるのですから、大問題と言えます。
今回は、墜落制止用器具(=安全帯)の特別教育について、現時点でのまとめをしてみます。
法改正では、安衛法第59条第3項にこのような条文が追加されます。
高さ2メートル以上の箇所は、作業床等を必要とし、それらの措置が困難な場合は、従来の安全帯を使用しなければなりません。
墜落防止のための設備や保護具が必要というのは変わりないのですが、保護具がフルハーネスになるということです。
この特別教育の対象となるのは、どんな人でしょうか。
答えは、高所で作業する人、もしくはその可能性がある人全てです。
特に建設業では、ほとんどの人が対象となります。
建設業以外でも、陸運業でトラックの荷台でロープを掛けるのであれば、対象となる可能性が高いです。
足場の特別教育でも、かなりの人が受講されましたが、墜落制止用器具はそれ以上となりそうですね。
特別教育のカリキュラムも決定しました。次のとおりです
学科が4.5時間、実技が1.5時間で、合計6時間の内容となっています。
詳細な内容については、今後中災防や建災防等がテキストを発売するので、それらに従って教育が実施されると思われます。
実技は、フルハーネスを実際に装着して、各所を調整する等も行うことになりそうです。
特別教育受講時には、マイハーネスがあるのが望ましいでしょうね。
今後、高所作業を行う人は、特別教育は避けて通ることはできません。
なるべくならば早い段階で受講されることをお勧めします。
私も講習を行うでしょうが、多分いっぱいいっぱいになると思います。
さて、カリキュラムはともかく、気になるのは時間短縮があるのかということですね。
実は時間短縮(正確には科目の省略)についても、今回のガイドラインに書かれています。
フルハーネス型墜落制止用器具の使用等に関して十分な知識及び経験を有すると認められる者について は、下記のとおり学科・実技の一部の科目を省略することが可能です。
※の場所は、「高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設ける ことが困難なところ」という意味です。
つまりフルハーネスを使った経験の有無と読んでもよいでしょう。
補足 フルハーネス型を使用しての経験は、「鉄骨建方」など3つほどに規定があるので注意。
詳しくは、Q&Aで
1は、フルハーネスを6ヶ月以上使っている人は、Ⅰ、Ⅱ、Ⅴの省略ですから、合計4.5時間も短縮です。
つまり、ⅢとⅣの1.5時間の受講でよいということです。
2は、胴ベルトを使っていた人ですね。Ⅰが省略ですから、1時間減の5時間の受講となります。これはほとんどの人が該当しますね。
3は、ロープ高所作業、足場組立等の特別教育を受けた人対象です。Ⅲの省略ですから、1時間減ですね。
ガイドラインでは、ロープ高所作業の特別教育修了者も対象のようです。
※「安全帯が「墜落制止用器具」となる法改正」の記事内で「ロープ高所作業の特別教育修了者は、十分に教育を受け、知識があると見なされるため受講は不要です。」と書いたのですが、正確でないため、訂正します。
1と3を組み合わせると、省略はⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅴとなり、0.5時間だけの教育となる可能性がありそうですね!
もし今からフルハーネスを使い始めると、法改正施行日くらいで半年となるのでしょうか。
誤り、作業内容に規定あり
免除や省略規定については、大事なポイントとなるので、ぜひ事業者や管理者としては作業者がどの程度省略となるのか、把握しておくことが重要となりますね。
今後も墜落制止用器具に関しての情報が公開されれば、紹介していきます。
資料をダウンロードして、教育を実施される場合は、コメントに報告やご意見をいただけると、今後の励みなりますので、ぜひお願いします。